作品十句
2023.06
眠き土星 中嶋憲武
- 北のひろがる空地竹煮草似てゐる嘘
- 夕空のぬるしハンカチあをくひらく
- 夏痩せて眠き土星をかぶりけり
- 萱草の花にふくらむ家族過ぎ
- ページが薄く詫びる旨のバナナでなく
- 黒揚羽胴のばりばり急ぎ過ぐ
- 朝日充つ街実桜ほどの妻のこゑ
- 眉くつきりとささやく姉妹夏暖簾
- 協奏曲のつやめく螺旋夏至の夜
- 螢火に離れ段差の闇を上がる
眠き土星 中嶋憲武
- 北のひろがる空地竹煮草似てゐる嘘
- 夕空のぬるしハンカチあをくひらく
- 夏痩せて眠き土星をかぶりけり
- 萱草の花にふくらむ家族過ぎ
- ページが薄く詫びる旨のバナナでなく
- 黒揚羽胴のばりばり急ぎ過ぐ
- 朝日充つ街実桜ほどの妻のこゑ
- 眉くつきりとささやく姉妹夏暖簾
- 協奏曲のつやめく螺旋夏至の夜
- 螢火に離れ段差の闇を上がる
そのまま山岸由佳
- モナリザのTシャツ青葉の影過り
- しろき蛾のそのまま咲いてゐる硝子
- 軍手黒く厚く薔薇の家とほし
- 栗の花泥の響いてゐる夜風
- 教会の紫陽花たかく妹よ
- 標識の子の照らされて五月雨るる
- 夏至の夜のビニール傘を股挟み
- あかるさの夢の中まで落雷す
- 蛍火の森の大きくなり心臓
- 対岸へ誰も渡らぬ蛍かな
そのまま 山岸由佳
- モナリザのTシャツ青葉の影過り
- しろき蛾のそのまま咲いてゐる硝子
- 軍手黒く厚く薔薇の家とほし
- 栗の花泥の響いてゐる夜風
- 教会の紫陽花たかく妹よ
- 標識の子の照らされて五月雨るる
- 夏至の夜のビニール傘を股挟み
- あかるさの夢の中まで落雷す
- 蛍火の森の大きくなり心臓
- 対岸へ誰も渡らぬ蛍かな
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