作品十句
2022.5
儀式 中嶋憲武
- 昏い火を置く白馬となれぬ夏の霧
- ローマは夜蝋燭しろく海月の密
- 守るべきもの野の鋼鉄を踏襲す
- 玻璃戸夜の呼吸閉め梅雨の星数へず
- 毛虫きれいな毛を立て一方的な賞
- 蟻ひとつ潰し近代戻り来る
- 海草の夜を貸しボート哀しむ北部
- 電話の向うに雹の昼の飛来
- 山羊のこゑして白昼知らぬ旱
- 馬が立つ仕種の芒種倦む儀式
儀式 中嶋憲武
- 昏い火を置く白馬となれぬ夏の霧
- ローマは夜蝋燭しろく海月の密
- 守るべきもの野の鋼鉄を踏襲す
- 玻璃戸夜の呼吸閉め梅雨の星数へず
- 毛虫きれいな毛を立て一方的な賞
- 蟻ひとつ潰し近代戻り来る
- 海草の夜を貸しボート哀しむ北部
- 電話の向うに雹の昼の飛来
- 山羊のこゑして白昼知らぬ旱
- 馬が立つ仕種の芒種倦む儀式
雨後山岸由佳
- 雉笛や横顔忘るる野のひかり
- 雉鳴いて仏花地に置く男かな
- 雉の眼にひろびろ雨後の風戦ぐ
- 墓場より雉歩む野を指させる
- 雉の昼腐りたる水地に滲み
- 電線の向こうの晴れて雉遠し
- よく笑ふ墓守のこゑ雉のこゑ
- 永遠に会えない人に雉の鳴く
- 雉鳴いて空腹の子のぞろぞろと
- 潦に木々 雉よあらはれよ
雨後 山岸由佳
- 雉笛や横顔忘るる野のひかり
- 雉鳴いて仏花地に置く男かな
- 雉の眼にひろびろ雨後の風戦ぐ
- 墓場より雉歩む野を指させる
- 雉の昼腐りたる水地に滲み
- 電線の向こうの晴れて雉遠し
- よく笑ふ墓守のこゑ雉のこゑ
- 永遠に会えない人に雉の鳴く
- 雉鳴いて空腹の子のぞろぞろと
- 潦に木々 雉よあらはれよ
作品一覧