作品十句
2022.11
口直し 中嶋憲武
- 窓はそのまま鶴来て別の窓ひらく
- とうとうたらり湯桶の蕎麦湯雪明り
- 強霜にくよくよとよく見れば我
- 脹脛北風の去ることならず
- 父母はおしまひとなり狸汁
- ふるやのもりは山鳩の枯の中
- 柊を挿してある夜勤の戸ひらく
- ひるすぎのソプラノ冬野押し渡り
- 逆光のいちまいにまい冬紅葉
- 口直しの何か食べたき帰り花
口直し 中嶋憲武
- 窓はそのまま鶴来て別の窓ひらく
- とうとうたらり湯桶の蕎麦湯雪明り
- 強霜にくよくよとよく見れば我
- 脹脛北風の去ることならず
- 父母はおしまひとなり狸汁
- ふるやのもりは山鳩の枯の中
- 柊を挿してある夜勤の戸ひらく
- ひるすぎのソプラノ冬野押し渡り
- 逆光のいちまいにまい冬紅葉
- 口直しの何か食べたき帰り花
畳目山岸由佳
- 眦に畳目はるか鮫のこと
- 冬菊や日当たるこゑの裏返り
- 撫で肩の人に付きたる雪婆
- 天井に小舟の浮かぶ十二月
- ポインセチアまだ濡れてゐる髪の先
- 兎すこし汚れてしまふ雨の音
- 雪の夜のレシート一枚反りし影
- 鳥佇てる水輪のなかの冬景色
- 着膨れてけふ最高の雲西へ
- 飛ぶ夢のはなし背の銀屏風
畳目 山岸由佳
- 眦に畳目はるか鮫のこと
- 冬菊や日当たるこゑの裏返り
- 撫で肩の人に付きたる雪婆
- 天井に小舟の浮かぶ十二月
- ポインセチアまだ濡れてゐる髪の先
- 兎すこし汚れてしまふ雨の音
- 雪の夜のレシート一枚反りし影
- 鳥佇てる水輪のなかの冬景色
- 着膨れてけふ最高の雲西へ
- 飛ぶ夢のはなし背の銀屏風
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