作品十句
2022.1
消毒液 中嶋憲武
- つま先のつめたさひなた方形の影
- 冬の梅頭の隅の部屋眠し
- 枯葉踏みあるくけものか只あをし
- 雪女に逢へずてのひらへ消毒液
- 立ち上る犬の前脚合はせ枯
- 惑星の東京高速道路冬
- テヲコシニウシロニ勇魚・白砂糖
- 羆来てをり鈴の音の戸がひらき
- 春遠からじ猫の掌の置きどころ
- 丘に立ち冬の終りの煙突を
消毒液 中嶋憲武
- つま先のつめたさひなた方形の影
- 冬の梅頭の隅の部屋眠し
- 枯葉踏みあるくけものか只あをし
- 雪女に逢へずてのひらへ消毒液
- 立ち上る犬の前脚合はせ枯
- 惑星の東京高速道路冬
- テヲコシニウシロニ勇魚・白砂糖
- 羆来てをり鈴の音の戸がひらき
- 春遠からじ猫の掌の置きどころ
- 丘に立ち冬の終りの煙突を
誰か山岸由佳
- 津波警報襖の花の浮きあがる
- 川いつも誰かを呼んでゐる寒さ
- 匂ひなき猫を抱き上げ雪の夜
- 十字路の凍れる夜の独語かな
- 毛布掛けさみしき耳の桃色に
- 逆光の枯野へコーヒーの香り
- 泡の中の指をひらいて室の花
- 雪解けの鴉の瞳ふかく塗る
- 金色の川越ゆ受験生の頬
- 階段のすべてが見えて東風強し
誰か 山岸由佳
- 津波警報襖の花の浮きあがる
- 川いつも誰かを呼んでゐる寒さ
- 匂ひなき猫を抱き上げ雪の夜
- 十字路の凍れる夜の独語かな
- 毛布掛けさみしき耳の桃色に
- 逆光の枯野へコーヒーの香り
- 泡の中の指をひらいて室の花
- 雪解けの鴉の瞳ふかく塗る
- 金色の川越ゆ受験生の頬
- 階段のすべてが見えて東風強し
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