作品十句
2023.02
怠い頭 中嶋憲武
- 北窓をひらくわたしの耳が無い
- 人身にすみれは在りや曠野来る
- 春の虹眼球一つ泛いてゐる
- 若鮎の眠たげなこゑありて切られ
- 銀笛を並べて干せり蜷の前
- 豆三つ残して春の山暮るる
- 鳥が怠い頭の春の服ならむ
- 春の雪山を跨いでゆく女
- 蝶の眼はるかな海に炎立つ
- 盤終る春障子破るる音に
怠い頭 中嶋憲武
- 北窓をひらくわたしの耳が無い
- 人身にすみれは在りや曠野来る
- 春の虹眼球一つ泛いてゐる
- 若鮎の眠たげなこゑありて切られ
- 銀笛を並べて干せり蜷の前
- 豆三つ残して春の山暮るる
- 鳥が怠い頭の春の服ならむ
- 春の雪山を跨いでゆく女
- 蝶の眼はるかな海に炎立つ
- 盤終る春障子破るる音に
旗影山岸由佳
- 鳥影のコンクリート工場無風
- 薄氷耳よりこぼれたる箪笥
- 淡雪のグラウンドより戻る息
- 春日傘ひらけば別の空生まれ
- 春水に落とす眼球鈍く熱し
- 破れたる旗影の巨大朧の夜
- 雲雀野の空のしづかさ左手に
- 水筒の底を揺らして三月来
- 山笑ふあなたも笑つて欲しい
- 靴脱いで眠る老人水の春
旗影 山岸由佳
- 鳥影のコンクリート工場無風
- 薄氷耳よりこぼれたる箪笥
- 淡雪のグラウンドより戻る息
- 春日傘ひらけば別の空生まれ
- 春水に落とす眼球鈍く熱し
- 破れたる旗影の巨大朧の夜
- 雲雀野の空のしづかさ左手に
- 水筒の底を揺らして三月来
- 山笑ふあなたも笑つて欲しい
- 靴脱いで眠る老人水の春
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