作品十句
2021.08
自省 中嶋憲武
- 炎天の瀬戸際かへる雀かな
- 晩夏木々怒鳴るフォークへ日をこぼし
- 夏落葉はらりと侏儒の物忘れ
- 自省して蚊のさかりなる真昼あり
- 初秋のインクのかすむ蔵書票
- 秋めくと牛をよろこぶ少女ゐて
- 話し声やがて雨音秋簾
- 稲妻の遠く噛み切れぬホルモン焼
- 秋雨にワゴン車撒き散らすラップ
- 房州の秋刀魚のかしら左に置く
自省 中嶋憲武
- 炎天の瀬戸際かへる雀かな
- 晩夏木々怒鳴るフォークへ日をこぼし
- 夏落葉はらりと侏儒の物忘れ
- 自省して蚊のさかりなる真昼あり
- 初秋のインクのかすむ蔵書票
- 秋めくと牛をよろこぶ少女ゐて
- 話し声やがて雨音秋簾
- 稲妻の遠く噛み切れぬホルモン焼
- 秋雨にワゴン車撒き散らすラップ
- 房州の秋刀魚のかしら左に置く
スプレー缶山岸由佳
- 鯉浮いて夏の終はりを告ぐる雨
- かんばせの二つ並んで花かぼちや
- 鳥の眼にわたくし不在秋に入る
- 芒よりあらはれ少年とは言えず
- とんぼうの水面に鳥居さざなみの
- 切り株やかなかなの空うすくあり
- 秋暑し顔なき道祖神へ花
- 風音の昏き夜長の蛍光灯
- こほろぎのこゑの絵本を片付ける
- スプレー缶振つて振つて月の重さかな
スプレー缶 山岸由佳
- 鯉浮いて夏の終はりを告ぐる雨
- かんばせの二つ並んで花かぼちや
- 鳥の眼にわたくし不在秋に入る
- 芒よりあらはれ少年とは言えず
- とんぼうの水面に鳥居さざなみの
- 切り株やかなかなの空うすくあり
- 秋暑し顔なき道祖神へ花
- 風音の昏き夜長の蛍光灯
- こほろぎのこゑの絵本を片付ける
- スプレー缶振つて振つて月の重さかな
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